⑩ ヘッドアングルが変わると、適正トレールも変わります。

前回はヘッドアングルが同じ場合についてでしたが、今回はヘッドアングルが異なる場合についてです。
まずトレールの長さについては、ヘッドアングルを大きくした場合はフォークオフセットを小さくし、ヘッドアングルを小さくした場合はフォークオフセットを大きくしなければ、それまでと同じ長さのトレールが得られません(F1)。その変更は、ヘッドアングル0.5゜につきフォークオフセット3mmといったところです。
したがって、ヘッドアングル72゜でのフォークオフセットは、73゜でのフォークオフセットよりも6mm程度大きくしなければならないことになります。
self-aligning-Bでは、トレールの長さを同じにすればよいかというと、それだけでは済みません。なぜなら、ヘッドアングルの大小は進行方向から外れたホイールの方向を元に戻そうとする力:セルフアライニングトルクの大小と関係し、ヘッドアングルが大きくなるとトルクが小さくなって直進性が弱まり、ヘッドアングルが小さくなると、トルクが大きくなって直進性が強まるからです(F2)。
SAMSONでは長年にわたるデータの蓄積からホイール半径336mmをベースとして、〔ヘッドアングル:73゜/フォークオフセット:43~45mm〕を基準にし、これよりも大きなヘッドアングルの場合はトレールを若干長くし、小さなヘッドアングルの場合はトレールを若干短くして、直進性と運動性のバランスが良好になるように微調整しています。

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