③ 適正ポジション出しに必要なものは、簡単な4つの道具と、少しの知識。

3.position_image

ロードレーサーの適正ポジションの設定理論は35年以上の昔から始まり、1990年代にすでに確立しています。そこで必要なものは、物差し、直角定規、分度器、糸と錘、そして、少しの知識。これだけで、誰でも簡単に左図に記された各部サイズを割り出すことができます。しかも、この場合の身体の測定箇所は股下の長さと肘の角度だけです。股下の長さだけでシートアングルあるいはサドル後退が分かるのは実物合わせだからで、コンピュータによるセッティングでは股下の長さはもちろん、靴(足)の大きさ、膝上あるいは膝下の長さのインプットが必要です。これらのうちのどれかの計測が欠けているにもかかわらずシートアングルやサドル後退が示されたら、インプットされていないデータによってつくられた不思議なソフトです。
しかし、いずれにしても得られるものは平均値ですから、個々のサイクリストに適合するように調整することが必要なだけでなく、フレームの剛性までも含めて、人車一体の走行感を実現する自転車に創りこまなければなりません。こうしたことは平均値の測出以上に重要なことなのです。
このシリーズの「①SAMSONは、フィッティングマシンを使いません。」に記した、フィッティングマシンの及ばない乗り手と自転車の完璧なマッチングとは、このことです。


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