⑬ フレームサイズが変わると、剛性も変わります。

ここに3人のサイクリストがいます。
Aはヨーロッパ人の中でも、とりわけ背の高い男性。Bはイタリア男性の平均。Cは日本男性の平均です。
身長に対する股下長の比率は、ヨーロッパ人は48.5%ほど、日本人は46%ほどですから、それぞれの股下長はA:92cm±、B:86cm±、C:79cm±になります。
したがって、トップチューブが水平な自転車の場合、平均的なフレームサイズは芯~芯でA:600mm、B:560mm、C:520mmあたりになります。

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そこで、この3フレームの剛性についてですが、たとえ素材が同じでも、フレームサイズが変わると剛性が変わります。なぜなら、加わる力が同じでも、チューブのタワミはその長さの3乗に比例して増減するからで、シートチューブだけを単独で考えた場合、AのタワミはBの約24%増、CのタワミはBの約21%減になります。これは、サイクリストA、B、Cの脚力特性が同じだとすると、サイクリストBの自転車の剛性が適正でも、サイクリストAの自転車は剛性不足になり、踏んでも走らない自転車に、サイクリストCの自転車は

剛性過剰になり、踏み出しの抵抗感が強い自転車になる可能性が大きいことを示唆しています。
「異なるサイズには異なるチューブ」でなければ、快適に走れる自転車になりません。
サイクリストの脚力特性とフレームサイズに応じてチューブを変える…。これがベストマッチングのための必須条件です。

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