bespoke frame for all cyclists

モーターサイクルの開発は、走りのコンセプトの設定から始まります。次に、そのコンセプトに合致するエンジンの開発が行われます。次に、そのエンジンの特性と性能を活かしきる車体の開発が行われます。数値と乗り手の感性の二者択一が迫られたときには、乗り手の感性を選びます。なぜなら、モーターサイクルは人間の道具であり、人間がモーターサイクルの道具ではないからです。
では、自転車の場合はどうでしょうか。
モーターサイクルと同じ順序をたどりながら、乗り手がエンジンでもあるという違いがあるために、よりシリアスなものになります。用途にもとづいて設定されたコンセプトに従い、エンジンとしての乗り手の能力特性や性能を活かしきると同時に、人間としての乗り手が期待する人車一体の走行感をもたらすものに、その自転車を創り上げていかなければなりません。
しかし、既製の自転車の中からの選択ではこの順序が逆にり、ベストマッチングを得ることが難しくなります。なぜなら、人間に自転車を合わせるのではなく、自転車に人間を合わせることになるからで、この点ではハイグレードモデルもローグレードモデルも同じです。ベストマッチングが得られたとしたら、それは偶然の出会いといえるかもしれません。