左上図は、ペダリング1周におけるペダル踏力と有効成分の推移の一例。左下図は、ペダリング1周におけるペダル踏力と方向の推移を矢印で示した一例です。
そこには個人差がありますが、ロード走行の標準的なケイダンス90rpmでは、踏み出しから最大ペダル踏力に至るまで約0.2秒。まばたき程の時間です。
この短い時間に0に近い踏力から最大踏力に持っていくには、いくらか力の逃げがないと、踏み出し時の抵抗が大きく、スムーズなペダリングができません。
しかも、ケイダンスが速いほどペダル踏力最小から最大までの時間が短くなるために、この「逃げ」はシリアスになってきます。といって、力の逃げが大きすぎると、踏んでも走らない自転車になってしまいます。
いずれにしても、フレームの剛性が乗り手の脚力レベルや脚力特性に適合していなければ、持てる能力が充分に発揮できず、結局は速度の低下や疲労の増大をもたらします。
100人のサイクリストがいれば、100種類の剛性が 必要なのです。